インテグラル・エコロジーのプレゼンテーション動画(後編)の全文書き起こしです。動画とはまた違った形で、理解を深める助けになればと願っています。
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(前編の文字起こしはこちらから)
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前回、この惑星に住む我々全員が、ある種の集合的な通過儀礼を通りぬけているという話をしました。イニシエーションです。新しいアイデンティティを我々に求めています。
それぞれ個人的な新しいアイデンティティのみならず、すべてのレベルでの新しいアイデンティティ、それは国家や文化というレベルまで、ずっと階層をあがって、惑星全体というレベルにまで求めれています。
このアイデンティティの進化のプロセスは、46億年の長さを持っている、と言えます。
その46億年の一番最後の最後、たった今、地球が我々を通して、自分自身について気が付き始めている。
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この進化の過程のハイライトを皆さんにお伝えしたい。特に人間が生まれた以降をハイライトしていきます。
これはアイデンティティ。違いが生まれて、新しいアイデンティティになる、3つのプロセスを表しています。始まりがあり、何らかのゴールに向かっている。
ゴールといったときに、何かしら起ころうとしていることがあるという意味です。
それはまるで花が開きたいので成長し続けるような。
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この一番大きな弧は、我々の種族としての起源を表していると言うことができます。想像してほしいのが、アフリカで生まれて、大勢の人数ではないが、やがて枝分かれして、この惑星中に散らばっていった。
おおよそ7万年前。そこから始まって1万5千年前、我々の種族はすべての大陸にたどり着きました。しかし、当時の人は一般的にも、他の大陸に人がいるということも、大陸があるということさえも想像していなかった。
しかし、過去500年の間、世界各地の人類がよりお互いにコンタクトを取り始め、より頻繁にそのコンタクトが起こるようになった。ついに我々の時代になると、この惑星の多くの人たちが、この地球のコミュニティ一員だという感覚を持つようになった。
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しかし、今人間の意識が起源から今にかけて、どのように進化したかを見ていきたい。まずこの螺旋についてみていきたい。
この弧は5000年規模の弧です。おおよそ5000年前、我々が持っている記録はそこまでなんですが。もちろん5000年よりも古い石造や洞窟の壁画はありますが、一番最初の文章は5000年前。学者さんたちは、「歴史的な時代」と呼んでいます。
もうひとつの弧は、大体、仏様ブッダが生まれた時代にさかのぼります。その当時、ブッタ・老子・孔子・ヒンドゥー教のウパニシュパッド、ユダヤ教の預言者たち、ギリシャ哲学がうまれた。それらはいずれも同じ時期に生まれた。多くの学者たちが、人間の文化がその時期にその周りを発達したと考えられています。世界宗教、哲学はその時期に生まれた。「アクシアルピリオド」、軸となる時期と彼らは読んでいます。それがこの弧です。その軸となる文化の中から、特に2つ、ユダヤ的なものとギリシャ的なもの、それが組み合わさることで、文化的なDNAが生まれます。
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それがやがて、主要なヨーロッパ文明になった。そこでやがて近代の科学や政治が生まれた。それがこの地球を支配するにいたったのです。
この最後の線、螺旋を描いていますが、これはこの西洋の文化の意識の中で、いくつかの連続的な変化があったのです。まずは、初めの創造的な時期。それは組織化されて硬直したものになりました。
制度化されて硬直されたものに対して、反文化的な蜂起がおこります。それが次の主要な文化に影響を与えて、そうやって生まれ変わり続けている。このスパイラルはある意味似ている。我々の人生も螺旋に似ている。アイデンティティの進化でもある。
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これが一番最初のアイデンティティの状態です。個人の自己、それぞれの文化、人間が存在するという感覚。より大きな世界、それは意味・精神に満ち溢れた中に自己がいるという感覚でした。そして、自分と自分でないもの、人間と人間でないものの間にしっかりとした境界はなかったんです。
これは私がとっても大好きなイメージで、エジプトからやってきた原初のころの人間観を表したものです。
これは、夜の空の女神です。彼女の名は、ヌートと言う名前です。星は彼女のおなかの中にぐっと入れられているのが観られます。毎日、彼女は太陽をお産し、夜はその太陽を食べ、身体の中をとおって、毎日が死であり、再び生まれ変わる。我々を取り囲む女神の体の中を通り抜ける。
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想像してほしい、どんな感じがするか。夜空の下にいて、自分が女神の体の中に包まれている感じがするのを。どんな感じがするのか。
これはべつの、女神とは少し違うが、女神と同じ役割を基本的に果たしているので、聖母マリアです。キリスト教の神学の中では、セオトコスと呼ばれている。それは神の母という意味です。神の母親が彼女自身女神ではないということは想像しにくいことです。
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この像は、800年前 平安時代のころの像で、エジプトの神アイシスと同じ姿勢で座っています。アイシスの神も自分の子供ホラスをこんな感じで抱きかかえている。
マリア様は、エジプトのころからのアイシスのイメージを引き継いでいます。このイメージの素敵なことは、開くんです。
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その中には、神がいる。三位一体父なる神、息子なる神、ここにはいないけれども鳩としての精霊。キリスト教の一番の謎である三位一体ということ。これがマリア様の子宮の中にいる、すごくないですか?
三つのパネルに意識を向けてほしい、中世時代のマリア様の名前は、我々のOur Ladyだった。フランス語で我々の淑女は「ノートルダム」と言います。ノートルダム大聖堂。これも800年くらい前。同じ3つのパネルがあることに注目してほしい。
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その巨大な石でできた大聖堂というのは、機能的には、さきほどの3つの像と同じ役割をしている。しかし、この場合は、この中を通り抜けることができる。ある意味、女神の子宮の中に入っていく。まるでステンドグラスを通して、宇宙の謎が映し出されている。そして、司祭が聖なる儀式を行うわけです。イエスの生と死を再現する。イエスの復活を表すのと同じように。
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ここには、真ん中のドアの詳細が見える。キリストが王冠をかぶって、周りに天使たちがいる。
もうひとつ言いたいのは、パリのノートルダム大聖堂だけではなく、世界中各地にノートルダムがある。私の生まれたオタワでもノートルダムがあります。私と母が洗礼を受けたところでもある。オタワのノートルダムは、天井がとても美しい青で、金の星で作られている。
なんで、私だけではなく、多くの人たちが、パリのノートルダムが火事にあってショックを受けたということは分かると思います。火事になった当時、私の友人が出版したものがあって、消火したあと、「我々の聖母はまだ燃えている」という記事。
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これから、その軸の時代に話題を戻します。
これはジャイナ教の神様。ルクアップクルーシャという神様です。基本的にこの神様が大宇宙全体です。我々が知っている世界は、この真中の円で描かれていて、丹田に書いてあって、地下の世界と天上界がある。
基本的な考えとして、神の体の中ですべてのことが起こっている。
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これは、真言仏教の子宮のマンダラ。その密教的な仏教では、特に日本に来るにあたって、そのマンダラの中心のイメージ。それは2種類あるんだけども、ひとつの非二元的な現実の、二つの側面を表しています。そのうちのひとつは、胎蔵界、もうひとつは金剛界のマンダラ。
いろんな意味で、それは自愛の心と知恵を象徴しています。それと同時に陰と陽を表していて、女性性、男性性。その中心には大日如来がいて、その体は宇宙全体を表している。
全ては彼女の体の中で起きている。
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その大日如来が印を組んでいる。古典的な印です。こんな感じに。
これが陽で男性性、これが陰で女性性を表していて、対極なものを表しています。
さて、ノートルダム大聖堂が建てられた時期に戻ります。ドイツの尼さん、非常に賢い女性で、ミンゲンのヒルデガードさん、癒しをもたらす薬草の達人だった。音楽家でもあり、芸術家でもある。これは彼女のイメージです。彼女はビジョンを持っていて、そのビジョンを書き留めていました。
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多くの司祭や僧侶が彼女から学ぶために、彼女を尋ねました。これは彼女が書いたイメージで、神聖アダム。ユダヤ教とキリスト教の視点で、一番最初の人類が生まれたのです。アダムと呼ばれていました。アダムの語源アダマは土壌という意味でした。キリスト教の想像力の中で、イエスが新しい始まりを象徴しています。
イエスが象徴するものは、再生の可能性です。ここで注目してほしいのは、新しいアダムは謎めいた赤い存在に囲まれている。その頭の上にイメージがあって、それはイエスなのか、父なる神なのか、どちらか分からないが、基本的にはマンダラなんです。
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その境界が神の体によって描かれている。それから数百年たって、ヨーロッパから我々が知っている中で最も古い地図が生まれます。
まず第一に気づくと思うのは、地図として読むのが不可能なことに気が付きます。なぜかというと、普段我々が持っている文字通りの空間的な関係性を表していないんです。なぜならこの当時、意識として特定の空間に結びついている場所というのがなくて、場所しかなかったんです。すべての場所は象徴的な意味を持っていた。特にこの場合は、中心にあるのが、中世のキリスト教の想像力の中では、エルサレムです。なぜかというと、エルサレムは文化的な神話や物語の始まりなのです。この人たちがどのように世界を想像していたか、というと、その文化の物語にとって、もっとも代表的なシンボルの意味を持つ場所が中心となっていました。
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ここ(上部)にキリストの頭、下に足がある。横には手がある。ふたたび世界全体が神の体だということが示されています。
これはもう一つ初期のころの世界地図です。ふたたび中心にエルサレムがあります。ここでは世界が3つの花びらをもって、世界としてとらえられています。それぞれの花びらが3つの大陸。当時は大陸は3つしか存在しえなかった。なぜなら神は三位一体だから。
当時は日本は存在しなかった。アジアはとても曖昧で、インドはここ。彼らにとってアジアというのは、中東や近東。
新世界であるアメリカがここにあります。どう扱ったらよいのかわからない、と言う感じです。
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これは、ヒンドゥー教の観点からの世界地図です。ここでは世界は蓮の花です。真中には聖なる山メリーがあります。周りには大きな海があって、それが世界を囲んでいます。胎児が子宮の中で液体に囲まれているのと一緒です。
おおよそ500年くらい前、ヨーロッパ人の冒険家や征服者たちが、初めて世界を一周します。なんでちょうど500年前にそれがおこったのか、なんで1000年前ではないのか、を深く話す時間は今日はないのですが、とにかく500年前だったのです。
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ヨーロッパの意識たちが、急に他の世界が存在するのだ、ということを発見し始めました。大半は欲によって駆り立てられました。好奇心と冒険心もそこにはありました。いずれにしろ、はじめのコンタクトはとてもゆっくりなんです。なぜなら、風と木の相性によって決まるから。しかし、さまざまな大陸とのコンタクトのグラフを描くと、同じように指数関数的な増加を見ることができる。はじめは何もおこらないんだけど、突然増加する。
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この惑星で人類のコンタクトが起こるのと同じくらいに、西洋的な宇宙観は、コペルニクス的な革命によって、劇的に変わります。もはや大宇宙の中心は地球ではなく、太陽だと思われるようになります。
宇宙的な太陽というのは、我々の意識の中の太陽に対応します。それは個人が集合と分離した存在だと感じることを可能にしました。そして、人間が人間でないもの、自然とより距離を感じることを可能にしました。そしてやがて、人間は神と分離した存在として。
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ちなみに、これらのイメージは、同僚であり、友人であるリチャード・タルナスさんからお借りしています。
こちらでは、神様の血であり肉であるエネルギーが、だんだんと外部を浸しているものから、人間の意識の中に、内在化するようになる。
同時に、外界が本質的にもっている精神的な価値がないものとして、みられるようになった。
一度世界が神の体ではない、と思うようにできたら、それは単なる資源と扱うようになるのです。これは近代のフランスの哲学者デカルトからきた図です。視覚をつかさどる法則と、光の法則を研究していました。これは世界の新しい見方を象徴しています。自己と言うもの。
その世界が空間とモノだという視点の起源となる自己、と言う感覚を表しています。そうすると、世界をとても純粋に機械的なものとして、時計と同じように見るようになる。我々の太陽系のモデルです。機械的なものです、まるで時計のように機械仕掛けで動くように見える。
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ほぼ同じころ、新しい見方を通じて、代数学・数学が発展しました。それと同時に、新しい正確な時計が生まれました。そうすることで、航海士たちが、空間の中で自分がどこにいるのか、正確に測ることができるようになった。そうするとヨーロッパは世界地図を作るようになった。だんだん、我々が世界地図と思っているものに近づきます。もし自分がどこかに行きたいならば、こういう地図のほうが役に立ちます。
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そしてすぐに、ポルトガル、スペイン、フランス、イギリスだけではなく、初期のころの世界のヨーロッパ文化の征服はその人たちだけではなくなった。世界全体が国家(Nation states)として分離せれていきます。政治的な存在、集合で、そこには憲法がある。
そして20世紀の後半の大半は、米国とそれからソビエト連邦の間で争いが起きます。この惑星全体を支配しようという争いです。しかし、その冷戦の前に、第二次世界大戦を通じて、世界はその支配のための心理病的な争いに巻き込まれます。その時点で、この惑星は戦争によって統一されます。これは、水素爆弾です。たぶんビキニ島で爆発したものです。これは、広島や長崎に落とされた原爆よりも何千倍も強力なものです。
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このイメージをここに入れた理由は、原子力爆弾を落とした悲劇であり、私は戦争犯罪だと思っている。新しい時代が始まります。核兵器の時代です。その時代というのは、大加速の時代と一致します。
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その時間とペースと、この惑星での人間のプロセスが指数関数的な加速をすると同時に、人間の自己というものがものすごく圧縮されて、ありとあらゆるものと分離した存在になってしまいます。そうすると世界は、まったくもって本質的に意味のないものとして見えてしまうのです。
さて、第二次世界大戦のちょうど終わりの時に、米国とソビエト連邦は冷戦に入ります。この惑星を支配しようとするのです。少なくともしばらくの間どちらが勝ったのか、皆さんご存知だと思います。
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冷戦は隠された原動力になっていました。この宇宙競争の。1960年代。
私は小さな男の子として、間近に見てきたのです。すべての若い人と同じように、私は理想主義によって宇宙に駆り立てられました。その奥にある世界支配の政治は何も知らなかったわけです。
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そのゴールとして、人間を月に届けて、安全に連れ帰ってくるということ。よく考えますよね、完全に信じられない不可能に感じられること。人間を月まで送って、歩いて、連れて帰ってくるなんて。
もし、1950年以前の歴史上の人類に話したとしても「頭おかしいんじゃない」と言われるでしょう。しかし実現したのです。
政治的な宇宙競争の理由としては、ミサイルの技術を向上させることによって、より正確に核弾頭を向こうに届けるための研究。それはとても魔法的なアイデアリズム。それから、もっと無意識な権力闘争。もうひとつの考えは、どうやら両方とも必要だったようなのです。
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この惑星が惑星として目覚める、今現在の状況を生み出すためには、どうやら両方とも必要だったようなのです。その月面ミッションの前の、宇宙競争の一番はじめ1957年。
人類がガイアの体の一部を、重力が働くところから自由なところに、初めて置きました。
もっと正確な言い方をすると、何等かの形によって、ガイアが自分の体の一部を組織化することで、自分自身の引力から自分を解放することができた。
それは1957年のスプートニクの衛星です。ひとつの人口衛星が軌道に乗せられました。原始的なカメラでガイアの最初の写真を撮りました。ふたたび、昨日のフィルムで私がこの話を聞いているかもしれませんが、これは単なるガイアのイメージではなく、ガイアが自分自身を見ているイメージでもあるのです。
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原始的な銅製の鏡だと思ったらいいでしょう。天照大御神の鏡のような。
一年後、鏡が磨かれ始めます。ガイアは自分自身をもう少しはっきりと見始めます。最終的には、月面着陸の成功とともに、1968年です。このアイコン的なイメージ、日の出ならぬ「地球の出」のイメージが捉えられます。
これは人間が月の上にたって、ガイアを見ているのではなく、何等かの形でガイアの一部が自分を伸ばすことによって、月から自分を見つめているのです。1968年。
これは数年前の日本の人工衛星。月の周りをまわっている人工衛星です。
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ガイアが自分を認識することによって、いかに自意識が加速しているかを感じてほしい。この40年50年の間に。
これは火星にむかって、送られた衛星の映像で、向かう途中で振り返って撮った地球と月の写真です。
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これは、人類が月に到達して、2年後。一番最初のアースデイ。今は毎年アースデイがある。その時期に何かが起きていました。人々がだんだんとこの惑星に属するということに意識的になっていったのです。
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この当時、この時期に環境運動というのが生み出されました。それから米国の環境保護機関が政府の中に設立されました。
国家の政府が、ガイアへのケアをアイデンティティの一部にするようになりました。
たまたま、それと同じタイミングで、ジェームズ・ラブロックさん、とても聡明な発明家で科学者です。彼はNASAの依頼で、火星に送って生命体を調査する装置を発明するように言われた。
彼は気づいた。火星にわざわざ装置を送って、生命体がいるか確認する必要はない。ただ単に火星から送られてくる光を受け取って、火星の大気のスペクトラム検査をすることで、大気の成分を検査することができる。
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彼がそれをやりたかったのは、彼はこの惑星の大気圏が、均衡と程遠い状態にあるということを知っていたからです。酸素という物質はとても反応しやすい。メタンガスを含んでいて、たとえばそれが安定しているレベル、だいたい大気内に25%だとします。それに対して二酸化酸素がすごく少なくて、その当時は300PPMだった。
しかし、火星から送られてきた光をもとに、化学物質の比率を調べると、均衡状態には程遠い、ほぼ酸素もメタンガスもない状態だということが分かった。さらに凄まじい高い濃度の二酸化炭素だった。
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彼が提案したのは、我々の大気がこうである理由は、生命にとって作られ維持されているから、この大気の状態を維持できている。なんで、火星から届く光を調べるだけで、そこに生命がいないことが分かった。
彼は地球の科学的な仮説を立てた。ひとつの自己構築をするシステム。地層、空気層、命の層がそこに含まれる。動的な均衡状態を維持し続けています。
そうすることで命が継続して、発展して、栄えることができる。それがガイア理論と呼ばれるものです。写真の後ろにギリシャ神話のガイアがいます。
彼は、リン・マルグルスさんと協力してその理論を構築しました。彼女はもう一人の聡明な科学者です。彼女自身は違う進化の観点を提供した方として知られています。
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それは競争や適応適所の生存に基づくものではなく、シンバイオジェネシス 様々な生命体が協力することで、あらたな生命が生まれるということ。1968年69年ころ、これが起こっていました。それが一番最初に見せたスパイラルのカーブで起こっている。
我々はいまそのカーブの中にいます。
これは、科学者がいかにカイアのシステムについて考え始めているか、ということを表している図です。それは体の臓器のように考えられている。相互にフィードバックするシステムの中でリンクされている。
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これは、ガイアが自分自身の体を自分自身にどうフィードバックして、表し返す技術が発展してきたか、を表しています。過去50年くらいで。私たちはレントゲン、MRI、ヘッドスキャンなどで我々の体を見ますよね。それと同じように。ガイアの大きな体で行われている。雲の密度、降水量、生命活動。
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これは20世紀半ば、本当に最近まで、科学者はこの星の生きている部分と生きていない部分の関係性をこう捉えていました。
水の層、地層、氷の層、大気の層。
そして生命圏があると。生命圏の中に人間はいるわけです。生命のコミュニティの中に生きている存在なのです。そのイメージは変化しました。
なぜならば人間の存在自体がひとつの層になってしまった。500年前は木でできた船ではそれは実現できなかった。この画像はフェイスブックのつながりを表している。
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これは地球システム、地球の体のシステムと、人間の社会経済的なシステムを表すグラフです。ここで何が見えるか、というと、すべて指数関数的に増加している。世界の人口、都市部の人口、大きなダム、交通手段、通信技術、などなど。
CO2、メタンガス、海の酸化、海岸沿いの窒素。そこで生命が生きられない。工業的な農薬などから、生きることができない。そういうことが起こっています。国際的な観光。
全体として、十分昔に始まったプロセスにとって、すべて無限にむかって、傾き始めている。だいたい1950年くらいにその傾きが始まっている。世界大戦の直後、冷戦の始まりの時期です。大加速の時期がそのころに始まったのです。
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これはリアルな写真ではないですが、軌道上にいくつの人工衛星があるか、正確に表している図です。ふたたび、この人工衛星はただたんに人類が放り投げている物体ではないんです。まるでガイア自身が花粉を放出しているような。
ガイアが自分の体を知覚して、デジタルなコミュニケーションが可能にするような機械になります。それと同時に、この大加速が無限に向かい始めているのと同じ時期に、より人間がディープタイムという感覚を持ち始めているということがあります。
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とても詳細な宇宙の起源についての物語を持っているのです。136億年前、からずっと現在まで。
地球はやがて太陽になったガス状になった同じ一部から生まれました。太陽が光始めた直後、比較的近い時期に、地球が燃え盛る岩の塊として固まります。46億年前。太陽は50億年前です。
その燃え盛る岩の塊が冷えるために、そんなに時間はかからなかった。冷えることによって海が生まれました。何等かの理由で、岩の塊が命を生み出しました。地球の表面に海ができた、比較的そのすぐあとに単細胞生物が生まれるのです。すべての進化の飛躍を語る時間はないのですが、だいたい6500万年前、隕石が地球に落ちます。
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そしてこの惑星の90%の命を破壊します。そこには恐竜も含まれます。6500万年前というのは我々にとって想像するのが不可能に近い。別の機会にそれがどのくらい長いのか、体験するエクササイズができるかもしれない。
感覚をつかむために、もし、地球の起源から今まで、その長さを、4.6キロとすると、一歩が50万年の長さになります。
一番初めての歴史的な記録というのは、巻き尺を使ったら2センチに満たない。その2センチを、いま手を広げるくらいに伸ばすと、我々の今生きているこの大加速は、指先の先端くらいの長さになる。我々は、今その瞬間を生きている。
我々は人類史上初の、これも大宇宙の起源の歴史が、やがて我々が目覚めることにつながって、それを振り返って考えられるという時代。
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それと同時に、我々が科学的発明によって生み出した計測機器によって、ディープタイムという感覚だけでなく、ディープスペース 深い空間という感覚も持つようになった。
想像を絶する広さを持つ宇宙。光がむこうの端にたどり着くまで、宇宙の歴史よりも長い億年をかけないと届かないくらいの広さ。
これは何のイメージだと思いますか?ニューロンに似ているでしょう。
神経図に似ているんですが、これはその計測機器を、大宇宙にある放射性宇宙船から作った映像なんです。
とても深い周波数を持つ光で、それがビッグバンの名残とされています。今現在すべての方向から我々にたどり着いているのです。手をこうやって器にすると、この毎秒、たぶん宇宙の一番はじまりから来ている光のフォトン光子が30個手の中を通り抜けていることになる。すべての方向からくるこれらのフォトンは、宇宙の巨大な構造物のイメージを与えてくれる。
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この一部にフォーカスすると、小さな部分にズームインできたとします。そうするとこういう映像になる。これが何を表しているかというと、想像できないくらいの大きさの構造物で、様々な銀河によって作られています。
我々の銀河、ミルキーウェイはここに含まれています。それは三兆個の太陽を含んでいます。想像できないくらい大きいのです。
それはまるでふたつの神経細胞の間のシナプス的なつながりに見えますよね。我々の天の川的な銀河系というのは、まるで脳の中にあるシナプスのようなのです。たった今みたものが、この図の中の一つか2つの点だということを想像してほしい。
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これはハップル望遠鏡の映像を組み合わせて作った映像です。我々の太陽のイメージ、地球。距離はちょっと崩してあります。太陽から離れると同時に、距離は指数関数的に増加しています。対数的な距離です。
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ここにたどり着くころには、我々の太陽系にもっとも近い星が含まれ始めます。我々の銀河系を離れて、別の銀河に出会い始めます。
夜の空に親指をさして、その大きさを十分に拡大すると、我々の銀河系をはるか超えたところに、ディープスペースという何十億単位の銀河系があるのです。
もちろん遠ざかれば遠ざかるほど、時間もさかのぼることになります。我々に届くまで光も時間がかかるからです。我々が観測できる一番遠い場所は、一番過去にさかのぼってみています。この巨大な宇宙的な背景にあるマイクロ派の放射線を見ていますが、これが宇宙の淵なんです。その向こうは見えません。
その空間的に何もないというわけではなく、もはやそこから先は意味をなさないんです。
ブラックホールのイベント・ホライズンを超えられたら起こることと似ています。実はビッグバンも宇宙的なシンギュラリティ、すべてを凝縮したところから始まったと言われています。
我々の時代に初めて始まったことのひとつに、我々の銀河のほかにも太陽があり、惑星があるという根拠のあるデータが集まっています。
1:20:22
科学者たちは、星の周りに惑星があるだろうとは思ってはいたが、あまりにも一番近い太陽でも遠いので、証拠のある惑星というのは認められていなかったんです。特集な状況下で、光がどのようにふるまうかを考慮にいれた実験下で、過去20年の間で、近所の星の周りに何百もの星が回っていることが分かった。
一番近いと言っても、一番早い宇宙船でも何千年もかかります。それでも、我々が最近自覚したこととしては、たとえ我々の銀河系だけをとっても、何百万何千万という地球のような惑星があるだろうということです。
この宇宙のなかで、何十億という銀河系があると思ったときに、宇宙は多くの惑星の中で、我々のような存在がそれぞれの進化の中でいるんじゃないか、と多くの人が信じている。
そうすると一部の人はこう思う。「すばらしい、じゃあ新しい地球を見つけよう」と。
1:22:24
でも、私の信念としては、他の人もそうだと思いますが、何十億あるにもかかわらず、何千年かかっても次の惑星にたどり着くことはできないだろう、と思うんです。あまりにも遠いから。
それでも、好奇心と安全を感じるんです。我々は孤独のわけはない、と。必ずしも肉体を使ってではないけれども、ほかの惑星とコミュニケーションをとる方法があるかもしれない。
その軸の時代という話を最初にしたのですが、多くの人は、我々は第二の軸の時代にいると信じています。ガイア自身が新しい発見の源になるという。
1:24:30
大崩壊と同時に、大転換が起こっている。我々が最初に見た、人類の歴史上はじめて、ブランクホールのイベント・ホライズンの映像です。アーティストが想像したのとかなり似ています。別の銀河系にある凄まじい大きさのブラックホールです。
これは、タナハシ・カズアキさんの禅の円相です。これは、閉じた窓ではなく開かれているから、気に入っています。永続的ではない、ということと同時に、まるで地球もしくは存在がその過程の中で、シフトして、開かれていくように、その始めも終わりも開かれていることによって、謎めいたままである、ということです。
ありがとうございました。
以上。
0:47
前回、この惑星に住む我々全員が、ある種の集合的な通過儀礼を通りぬけているという話をしました。イニシエーションです。新しいアイデンティティを我々に求めています。
それぞれ個人的な新しいアイデンティティのみならず、すべてのレベルでの新しいアイデンティティ、それは国家や文化というレベルまで、ずっと階層をあがって、惑星全体というレベルにまで求めれています。
このアイデンティティの進化のプロセスは、46億年の長さを持っている、と言えます。
その46億年の一番最後の最後、たった今、地球が我々を通して、自分自身について気が付き始めている。
2:30
この進化の過程のハイライトを皆さんにお伝えしたい。特に人間が生まれた以降をハイライトしていきます。
これはアイデンティティ。違いが生まれて、新しいアイデンティティになる、3つのプロセスを表しています。始まりがあり、何らかのゴールに向かっている。
ゴールといったときに、何かしら起ころうとしていることがあるという意味です。
それはまるで花が開きたいので成長し続けるような。
3:39
この一番大きな弧は、我々の種族としての起源を表していると言うことができます。想像してほしいのが、アフリカで生まれて、大勢の人数ではないが、やがて枝分かれして、この惑星中に散らばっていった。
おおよそ7万年前。そこから始まって1万5千年前、我々の種族はすべての大陸にたどり着きました。しかし、当時の人は一般的にも、他の大陸に人がいるということも、大陸があるということさえも想像していなかった。
しかし、過去500年の間、世界各地の人類がよりお互いにコンタクトを取り始め、より頻繁にそのコンタクトが起こるようになった。ついに我々の時代になると、この惑星の多くの人たちが、この地球のコミュニティ一員だという感覚を持つようになった。
5:40
しかし、今人間の意識が起源から今にかけて、どのように進化したかを見ていきたい。まずこの螺旋についてみていきたい。
この弧は5000年規模の弧です。おおよそ5000年前、我々が持っている記録はそこまでなんですが。もちろん5000年よりも古い石造や洞窟の壁画はありますが、一番最初の文章は5000年前。学者さんたちは、「歴史的な時代」と呼んでいます。